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八月のひかり
八月、夏休み。五年生の美貴は、働くお母さんのかわりに料理や洗たくをして、毎日を家ですごしていた。美貴には、夏休みに遊ぶような仲良しの友達はいない。学校でも、だれとも友達になりたくないと思っていた。それには理由があって......。 お試し読みはこちら t『八月のひかり』に絶賛と感動の声が続々寄せられています。

■読者・50代男性
 清流を、口にふくんだときのような驚きです。
 自分が大切にしたいと思っていたことって、なんだろう。
 自分が忘れかけていものが、ぽとりと掌に落ちてきた、そんな気持ちです。

■読者・髙橋佐和子様
 『八月のひかり』に登場している子どもたちは、なんて誠実で、丁寧な生き方をしているのだろう。
 「とても面白い本」「いい話」では終わらせたくない、大事なことを問う本だと思います。

 「お金がないからこそ、きちんと生きようね」
 この言葉に、胸を撃ち抜かれた気分です。

 自分を含め、現代の大人のうちの何人が、自分自身に対して「きちんと生きよう」と思いながら生きているでしょうか。

 電車では我先に乗り込む人が増え、エレベーターでは開くボタンを率先して押そうとする人も減ったように感じます。
 譲ってもらったら「ありがとうございます」ぶつかったら「すみません」という一言を発するのも億劫そうな人。
 顔を挙げて歩いている人は減り、暗い顔や余裕のない顔で過ごしている人も多い。
 そんな大人の姿を子どもたちは見ています。

 本書の親子像は「そう遠くない私たちの未来の現状へ問題提起をしている」と思いました。

■ときわ書房千城台店 片山恭子様
 二度、読ませていただきました。
 読めば読むほど、唸らされる作品でした。
 二度、三度と繰り返し読むことによって、新たな発見のある作品だと思います。
 八歳から八十歳までが読める作品です。
 人として大切なことが、無数に散りばめられているようです。

 子どもが理解しやすいように、やさしい言葉を駆使して社会的問題を描き出す、児童文学の見事さ、真髄を実感しました。
 もっともっと大人にも読まれていいと強く思います。

■明林堂書店 大分本店 多田由美子様
 『八月のひかり』は、子どもの目線から見た貧困を、主人公の心の成長とともに描いている。
 一瞬、いつの時代の話? と思ってしまった。
 そんな自分が怖くなる。知っているではないか。
 子ども食堂などの活動もよく目に耳にしているではないか。

 物語が三世代に触れているのも考えを深くさせられる。
 物が溢れている今の世と、戦後の物がない時代との重ね方。
 貧困の中で苦労して暮らした経験がもたらす結果が一つではないことを、今を見つめるだけでは解決にならないことを、教えてくれる。

 物語には母子のささやかながら温かな幸せがちりばめられている。
 そして物語の最後には微かな希望がみえ、ギラギラした夏の太陽の陽射しの中にすうっと風が流れ込んだ気持ちになる。

 子どもたちに読んで欲しい。
 それ以上に大人にも読んで欲しい。

■精文館書店中島新町店 久田かおり様
 焼きそばが、カルピスが、アイスが、たこ焼きが、矢のように私の胸に突き刺さる。
 今、私に何ができますか?
 この幼い姉弟の日常を、単に「かわいそう」という言葉で表したくはない。
 母親の必死の毎日を軽く「大変だ」という言葉で感じたくもない。
 私たちは、怒るべきなんだ。今のこの現実に憤るべきなんだ。

■未来屋書店高崎オーパ店 山本智子様
 美貴の健気さと優しさにに落涙。
 お母さんの優しさ、強さがとても眩しく感じられました。

 この世の中に貧困はあります。それは疑いようのない事実です。
 綺麗事では済ませられない現実に、潰されてしまう人もいる。
 その中でかすかな希望を見つける事が出来たら、小さな幸せを感じる事が出来たら、違う明日があるかもしれない。

 子どもがお腹いっぱいに食べられる事が当たり前の世の中になる事を切に願います。

■宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみ様
 切ない。子どもが食べることを我慢して生活しなければいけないなんて。自分だったら、自分の子どもだったら、と思わず考え込んでしまいます。

 しかし、まさに清貧。自分で「優しいだけ」と言っていたお母さん。あなたはとても強い。子どもたちに何が大切か、しっかり心を伝えていると思います。とてもいいお母さん。

 この作品で誰かの心を助けることができたらと思います。

■成田本店みなと高台店 櫻井美怜様
 私自身、決して裕福とはいえない子供時代を過ごしてきました。
 お金がないから本を買ってもらう余裕がなくて図書館に通って浴びるように本を読んだことを思えば、決して貧乏が悪かったことばかりではない、と今なら思えます。

 『かがみの孤城』が本屋大賞を受賞した時に、この本で救われる子供や大人が日本にどれだけ居ることかと、売れる喜びを噛みしめましたが、この『八月のひかり』もどこかの誰かの支えになりうる作品だと思います。

■うさぎや矢板店 山田恵理子様
 親子それぞれの気持ちが、あまりにリアルに自分の中に流れ込んできて、しばらく茫然としました。
 この本の伝える力には圧倒的なものがあります。本当の幸せとは何か、この社会で本当に必要なことは何か、思いやる想像力を働かせられる本であり、地域で、家族で、読んでほしいです。

 作者の表現力には、今まで感じたことがない新しさがあり、力強い想いが散りばめられているようで、それは未来への希望という光のかけらのように、胸にささります。

 冒頭からラストまで、心をとらえて離さない。大切なことを伝えてくださってありがとうございます。

■明林堂書店南佐賀店 本間悠様
 すごい力を持った物語でした。
 なすすべもなく見守るしかない読者という立場がもどかしく感じられ、途中何度も頭を抱え、涙が溢れそうになりましたが、歯を食いしばって堪えました。
 泣いちゃいけない、と思ってしまった。

 この本を読んでどう思うか、どうするかについては、読み手の自由ではあるけれど、それが何とも歯がゆく、自分の無力さすら感じてしまう。
 こんな本は、書店員をしていてはじめて出会ったかもしれません。
 出来るだけ多くの人に、この本に触れる機会を持って欲しい。
 書店員として、そして母親として、一人の人間として、この本に描かれている現実に、どう立ち向かうべきなのかを考えています。

 考えるきっかけをくださった、作者の中島信子先生。
 丁寧にこの物語を紡いで下さったからこそ、スタートラインに立つことが出来ました。
 この物語を書いて下さってありがとうございます。
 せめて書店員として、この本を売り場に置くことで、メッセージを送り続けたい。考え続けたい。そんな気持ちです。

■神保町の子どもの本専門店 ブックハウスカフェ 茅野由紀様
 とても良かったです。八月という季節にからめて、70年前の戦後まもなくのことを想像しながら読むと、また、ちょっぴり違ったようにも読める気がしました。この本をきっかけにいろいろな社会のことに興味を持ち、問題点を考えるようになる、そんな窓口のような1冊として、おすすめしていきたいと思います。

中島信子 1985年〜1990年代まで、多くの児童文学を刊行する。『薫は少女』『お母さん、わたしをすきですか』『冬を旅する少女』『また、風になろね』『さよならは霊界から』など、数々の名作を発表してきた実力のある児童文学作家。 2000年以降、執筆から離れていたが、数年前からフードバンクの活動に関わり、その中で、子どもの貧困の現実を目の当たりにする。そして、子どもの貧困を子どもの視点から書きたいという気持ちが抑えきれず、『八月のひかり』を執筆した。約20年ぶりの新作発表となる。
書影

八月のひかり
中島信子

八月、夏休み。五年生の美貴は、働くお母さんのかわりに料理や洗たくをして、毎日を家ですごしていた。美貴には、夏休みに遊ぶような仲良しの友達はいない。学校でも、だれとも友達になりたくないと思っていた。それには理由があって......。現代の子どもを取り巻く問題と、子ども自身の繊細な気持ちを深く描き出した、傑作児童文学。

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